1. HOME
  2. ブログ
  3. AR
  4. ARシステム構築ツールを5つご紹介

ブログ

BLOG

AR

ARシステム構築ツールを5つご紹介

 この記事は、ARシステムを構築するツールをご紹介するものです。バーチャルの情報を現実世界に映し出すAR(Augmented Reality)は、SF世界を実現できるような非現実感を味える次世代テクノロジーの1つです。各企業でもAR技術の取り入れが活発に行われています。ただ、ARシステムを構築しようと思っても、どのような方法があるのか戸惑う方も多いかもしれません。そこで、ARシステム構築に役立つ便利ツールをご紹介します。また、ARに不可欠な認識方法のタイプや開発するときの注意点についてもご紹介します。既にARについてご存知の方だけでなく、ARのことをほとんど知らない方でも、わかりやすい内容になっています。

AR(拡張現実)とは何か

 簡単にいうと、現実にある光景にデジタル情報を重ねた映像をリアルタイムで表示させる技術のことです。ARとはAugmented Realityの略称で、流行したスマホゲーム「ポケモンGO」でARの存在を知った方も多いのではないでしょうか。近年では、物流管理、広報、建築現場や医療現場でも活用されている技術です。

ARの認識方法をタイプ別にご紹介

 ARとは、現実世界にバーチャルを取り込むものだという認識はよく知られていると思いますが、その方法については、タイプがいろいろあります。それぞれのタイプに特徴があり、活用しやすい場面も異なるため、知っておきましょう。

①画像認識型

 画像認識型は、カメラが取得した画像を認識して表示するARです。特定の画像・写真にデジタル情報を登録し、その特定の画像をカメラで読み取るとARコンテンツを表示する仕組みとなっています。店舗ポスター、商品のパッケージ、カタログなど、広報やマーケティングの際によく活用されています。この画像認識型は、認識用の画像によって「マーカー型」「マーカーレス型」に分けられます。

 マーカー型は、QRコードのような四角の画像をカメラで認識すると、あらかじめ用意された情報が表示されるものです。マーカーにできるのはルールに沿った画像だけですが、用のマーカーを使うことから、認識が容易であったり、特定の場所に正確に表示させられるといったメリットがあります。

 マーカーレス型は、任意の画像やイラストを認識し、そこからARを表現します。任意の対象からARの設定ができるので、ポスターやカタログなどもそのままマーカーとして利用できます。そのため、デザイン性を損わずにARの導入が可能です。もっとも、マーカー型よりも認識速度や安定感では劣ることがデメリットとされます。

 また、マーカー型・マーカーレス型ともに画像を読み取ることから、撮影対象の設置環境によってはうまく機能しないことがあります。

②GPS型

 GPS型とは、位置情報を読み取って表示するタイプのARです。GPSでスマートフォンなどの端末の位置情報を認識し、その位置情報に紐づいた画像を現実世界に投影します。スマホの加速度センサーなどと組み合わせて、より詳細な設定もできます。

 位置情報をもとにすることから、Googleマップなどのマップ系ツールや、観光案内、ナビゲーションサービスに活用されています。前述の「ポケモンGO」もこのタイプのARです。

 GPS型には対象物の存在しない屋外でも、ARが作成できる強みがある一方で、ARコンテンツの表示精度は位置情報に左右されます。GPSの精度が低い場合には表示にズレが生じたり、必要な情報を検知するののセンサーが搭載されていないデバイスでは、正確に表示されない可能性もあります。

③空間認識型

 空間認識型は、立体的な情報を読み込めるARです。画像認識型では平面図しか認識できないところ、空間認識型では立体感のある表現が可能です。ユーザーが任意にARコンテンツの表示位置を決められることから、家具・家電の配置シミュレーションなどで活躍しています。ARが搭載されたメガネやコンタクトレンズ型のウェアラブル端末も開発されています。発展が著しいARのタイプともいえるでしょう。

ARシステムの構築に役立つツールのご紹介(5選)

 それでは、ARアプリを開発するためにおすすめのツールを紹介します。開発が手軽にできたり、広く人気のあるAR開発ツールの主だったものを5つご紹介します。

①Google ARCore

 Google ARCoreは、Googleの提供するARフレームワークで、Android端末向けに作られたツールです。JavaやUnityといった人気の言語や開発環境に対応していることから、参入ハードルが低く、多くの人が利用しています。また、特殊なデバイスがなくても、スマホの内蔵カメラとモーションセンサーだけでARコンテンツを構築できる点も魅力です。

②Apple ARKit

 Apple ARKitは、名前のとおりAppleが提供しているAR開発ツールです。iPhoneやiPadで利用できるAR機能が作成できます。iPhoneやiPadで利用できるARの作成ができます。iOS向けに作られた言語であるSwiftでの開発ができます。レッスンが公開されており、プラグラミングに不慣れな人でも扱いやすいツールといえます。

③ARToolKit

 ARToolKitは、日本人が開発したツールです。2015年にオープンソース化されてから世界中で利用されるようになりました。スマートフォン、タブレット、パソコンなど幅広い端末での開発に対応しています。自社アプリに組み込む事も可能で、IDマーカーを採用すると数十万パターンの読み込みも可能になり、50万件以上の開発導入実績があると言われています。Windows、Mac、AndroidやiOSなど多彩なプラットフォームに対応していることが強みです。

④Spark AR Studio

 Spark AR Studioは、Facebookが提供する、画像認識を活用したAR開発ツールです。FacebookやInstagramなどでの利用が想定されています。Facebookのカメラ・写真機能から拡張でき、作成したコンテンツはFacebookやInstagramで公開できます。専門知識がなくても直感的な操作でARコンテンツを作成できることから、開発ハードルの低さが魅力です。

⑤Amazon Sumerian

 Amazon Sumerianは、名前の通りAmazonが提供しているARツールとなります。AWS(Amazon Web Services)上で公開されているAR・VR・3Dコンテンツ作成ツールです。ソフトウェアのダウンロードが不要で、Google Chromeなどのブラウザを用意するだけで利用できます。Google ChromeなどWebGL(Web Graphics Library)互換の最新ブラウザがあれば、ARコンテンツの開発が可能になります。さらに、プログラミングの必要もなく、初心者の方でも操作ができるツールとなっています。AWSの各種サービスと連携させると、機能性をさらに向上させることができます。

AR開発をする際に予め知っておくべき注意点

 ご紹介したように、AR開発では扱いやすいツールがたくさんございます。ツールを知れば、ARシステムの開発がより身近に実現できるものです。しかし、AR開発を始める前に、知っておかないと思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。ここでは、AR開発の前に知っておくべき注意点をご紹介します。

①個人情報の取り扱いは十分注意すること

 ARシステムを開発には個人情報など繊細な問題を取り扱うケースが多いので、法律を遵守することに十分注意を払わなければいけません。特に、GPS型のアプリは個人の位置情報を利用するので、個人情報の取り扱いは適切にする必要があります。さらにアプリ開発においてはアプリの仕様や機能が近いアプリをリリースしてしまうと、著作権法違反となるおそれがあります。そのため、事前に類似アプリはないか調査しておく必要があります。

②利用規約や禁止事項を詳細に明記すること

 アプリを公開する場合、トラブル予防のためにも利用規約はしっかりと明記しておきましょう。特に個人情報の取り扱いや免責事項、問い合わせ先は重要です。規約が曖昧であれば、利用者が行った悪質な行動をアプリの責任にされる可能性があります。例えば、位置情報を使う場合、私有地に勝手に入ったり、他人に迷惑をかけたりする行為が起きる可能性があります。また、利用規約の設定は、アプリストアでの審査でも確認されますので、内容を適切に記載しましょう。

③開発の費用相場を確認する

 ARシステムを開発を進めても、予算オーバーで計画がとん挫する事態は避けたいものです。そのため、開発費用の相場を知っておきましょう。開発にかかる概算費用は「人件費×開発期間」から算出できます。人件費は、依頼するエンジニア・プログラマーの技術力にもよりますが1人あたり月額40万~100万円くらいです。もちろん、求めるスキルが高いほどより高い月額単価がかかる場合もあります。

 開発期間は、機能の難易度などにもよりますが、数ヶ月から半年が一般的と言われています。もっとも、ゲーム開発など複雑なシステムを構築する場合、1年を超えることもあります。
 また、システム開発を自社で行う場合、AR開発ツール以外にも、Android StudioやUnityやなどのソフトウェア開発ツールやハードウェアの整備も必要な場合もあります。そのためARの開発環境の整備が不十分であれば、外部に依頼した方が結果的に安上がりとなる場合があります。

まとめ

 ARシステム構築のための、ARの認識方法のタイプ別の違いや、おすすめツール、AR開発における注意点をご紹介してきました。AR開発には役立つツールがたくさんありますので、以前ほどAR開発が雲の上の存在ではなくなりました。身近に開発できるとはいえ、ARは個人情報など重要な情報を取り扱うことから、その開発においては注意すべきポイントがあります。注意点を押さえたうえで、目指すべきARシステムを開発していきましょう。

AR開発を依頼するなら

エネセーブではAR開発を得意としております。
AR開発をご検討の方は、是非以下よりお問い合わせ下さい。

関連記事