1. HOME
  2. ブログ
  3. DX
  4. 不動産業界のDX化についてメリットや事例とともに解説

ブログ

BLOG

DX

不動産業界のDX化についてメリットや事例とともに解説

現在不動産業界でもDXが大変注目されています。
この記事では、不動産業界におけるDX化の必要性、DX化を推進するメリット、気を付けること等について解説しています。また、既にDX化に成功した企業の取り組み事例を紹介しました。
これらの記事を参考にして、御社もDX化を進めてはいかがでしょうか。

DXとは何か

DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を用いて生活やビジネススタイルの価値を変えることを意味しています。

2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授は、「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく」と提唱しています。教授の言うように様々なデジタル技術の開発は、私たちの生活をより便利に、より豊かにしてくれました。

スマートフォンやインターネットが広く普及し、オンライン人口が増加している現在、人々の生活は24時間365日、デジタルの世界と切り離せないものになっています。
どの企業もこの潮流に無関係ではいられません。新しいデジタルテクノロジーの導入、新しいビジネスモデルの構築が求められています。

経済産業省もこの流れをうけて、2018年12月に「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」を公表しています。各企業がDXを推進していくためになすべきことをまとめています。

既存のビジネスの仕組みをDX化によって刷新し、より良いものに変えていくことで、人々の生活を豊かにすることを目指しているのです。

不動産業界のDXについて

このように、DXとはデジタル技術を活用しながら新たなビジネスモデルを構築していくことでした。

不動産業界において、どのようにDXを進めていけばいいのでしょうか。
現状、不動産業務ではアナログ時代のまま更新されていない業務が多く残されています。業務効率化の余地は多々あるのです。

例えば、物件管理、顧客管理、入居業務などシステム化が可能な業務が多くあるにも関わらず、未だに非効率な方法で行っていることが多いようです。
数多くのデータや書類の処理などを、デジタル化することにより、時間や人件費などの削減につながります。

近年コロナ禍の影響もあり、消費者はパソコンやスマートフォンを利用して物件探しをすることが増えています。また書類管理の煩わしさから、契約のペーパーレス化を望む声が大きくなってきています。

このように、不動産業界でもIT化を進めていくことが急務になっています。

不動産業界のDX化メリット

不動産業界がDX化を行うことで得られるメリットには、どのようなものがあるでしょうか。以下に6点のメリットを説明します。

業務効率化

物件や顧客情報の入力、書類の作成などを自動化すれば、業務時間短縮が見込めます。また、人の手に頼っているとどうしても発生してしまうミスも防止することができます。ヒューマンエラー防止にもIT技術は大いに役立ちます。

SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)やCRM(Customer Relationship Management:顧客管理システム)などを導入すれば、データ管理や社内でのデータ閲覧を可能にします。顧客情報の確認、他の社員への引継ぎ等の業務が減り、その分営業や顧客フォローなどの業務に集中することができるようになります。

人手不足解消

業務のIT化は労働時間短縮になり、人手不足解消をもたらします。

現在、不動産業界に残る非効率的な業務形態が、長時間労働による人手不足を引き起こしています。
2018年に行われたパーソル総合研究所と東京大学中原淳准教授の「残業実態調査」によると、不動産業では残業時間が月に30時間以上に及ぶ従業員の割合が、31.8%(月平均21.6時間)となっています。これは14業種のうち4番目の水準です。同時に、他の業界に比べサービス残業が多く、業界全体の離職率も高い原因になっています。

参照 (https://rc.persol-group.co.jp/news/201802081000.html

教育時間の確保

どのような会社でも、新人教育は必要なものです。物件査定などの業務は、知識や経験が必要なため、時間をかけて丁寧に教えていかなくてはなりません。
しかしベテラン社員が自身の仕事に追われ、なかなか新人教育に充てる時間が取れないといった現状があります。

ここでAI(Artificial Intelligence:人工知能)等を使ったシステム導入を行えば、AIのシミュレーション機能で今まで人の勘や経験に頼っていた査定をパソコンで行うことが可能になります。新人社員でも即戦力となり得ます。

教育時間の短縮、ひいては人手不足解消にもつながるでしょう。

コスト削減

業務のIT化は、労働時間短縮につながるとともに人件費削減にも貢献します。
また、書類作成要員が不必要になり、既存社員の残業時間も減らすことができます。

情報のデータ化を行えば、書類用紙などのペーパーレス化にもつながり消耗品などのコストカットが可能になります。

顧客満足度向上

IT化が急激に進んできた結果、どの業界でもパソコンやスマートフォンを使用した購買行動が非常に多くなってきました。不動産業界でも同様のことが言えます。より簡単に素早く購入できることが求められているのです。

このような状況のもと、2017年10月に賃貸取引に関するIT重説、2021年4月には売買取引におけるIT重説が解禁されています。不動産賃貸契約や売買契約などの重要事項説明についても、IT使用が可能となっています。今まで対面で行うことになっていた業務も、リモートでできるようになりました。

チャット機能による問い合わせ、相談やリモートによる内覧などを導入することで、お客様は時間や場所に捉われずにアクションを起こすことができるようになります。上述のように重要事項説明においても、来店の必要がなくなっています。利便性が向上することで、顧客満足度をアップさせることが期待できるのです。

旧システムの刷新

社内をIT化したはいいものの、以前のシステムをそのまま使い続けている、といったことはありませんか。
ITを取り巻く現状は、大きく様変わりしています。古いシステムを使い続けたままでは、いずれ変化の波に取り残されてしまいます。

DX化にあたっては、システムの見直しが必須です。新しいシステム導入により、市場の変化に乗り遅れることなく、更には新ビジネスの創出も期待できるのです。

なお、古いデジタルテクノロジーで作られたシステムのことを「レガシーシステム」と言います。経済産業省が2018年に発表したDX(デジタルトランスフォーメーション)レポートでは「2025年の崖」問題について述べられています。

この中で、DX化が進まない原因の一つに既存システムのブラックボックス状態(いわゆる「レガシーシステム化」)を挙げています。
このままレガシーシステムが継続されると、市場の変化に対応して、ビジネス・モデルを柔軟・迅速に変更することができずデジタル競争の敗者になってしまうと述べられています。その結果2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性がある、と警鐘を鳴らしています。
参照 「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服と本格的な展開~(サマリー)」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf

不動産業界のDX化で留意すべき点

次に不動産業界のDX化で気を付ける点を4点説明します。

前例が少ない

残念ながら、不動産業界の中でDXを進めている企業は多いとは言えません。前例の少ない中で、刷新すべきレガシーシステムは何か、どのようなシステムを構築する必要があるのかなど見えない部分が数多くあります。

少ないながらも、DX化に取り組んでいる企業や成功事例を参考にして、自社の課題分析や目標設定を行っていく必要があります。

また、以下の団体が、不動産業界のDX推進について情報を発信しています。こちらも参考にして進めていくのが良いでしょう。

・一般社団法人不動産テック協会(https://retechjapan.org/
・DX不動産推進委員会(https://www.dxppa.or.jp/

ツール選定が難しい

不動産会社向けの業務改善ツールには様々なものがあります。しかし、自社の業務に適切かどうかを判断するのは難しいかもしれません。しかし慎重に検討しないと、結局使いこなせずに終わってしまった、という可能性もあります。

ツール選定のポイントとしては
 ・目的に沿った機能が実装されているか
 ・操作性はどうか、またサポートは充実しているか
 ・クラウドで使用するのか、それとも自社に設置するのか

等があります。無料トライアルなどもうまく利用しながら選定することが大切です。

時間とコストがかかる

DX化は一朝一夕で完成するものではありません。課題分析からシステム導入、そして社員教育などを経て、完成するまでには数年かかることが普通です。
また、その間の予算、人材確保なども必要になってきます。

充分な準備期間と予算設定が大切です。

新システム導入後の問題

新システムを導入すると、まず操作者への教育、研修が必要になります。また、旧システムからの移行期間も見ておかなくてはなりません。
新システムの運用で今まで以上に費用が掛かることもあるでしょう。

現場サイドの理解を得るためにも、まずDX化の意義と目的を全社員に把握してもらうことが必要になります。DX推進には、全社員の意思統一が欠かせないものです。

不動産業界のDX導入事例

不動産業界で、DX化を推進し結果を出している事例を紹介します。

三井不動産株式会社

1.決裁・会計の基幹系システムの全面刷新

これまで部門ごとに存在していた業務プロセスを一元化し、業務の標準化と効率化を図りました。またデータをフルクラウド化したことにより各部門のデータ連携が可能になり、データの多重入力が撤廃されています。

また、会計システムとの統合も進め、押印レス、ペーパーレス、モバイル化を実現し、受発注・会計業務のスリム化を図ることができました。

2.法人向け多拠点型シェアオフィス「ワークスタイリング」の提供

ICTを活用し、セキュリティと利便性を兼ね備えたシェアオフィスを展開しています。

法人向けシェアオフィス「ワークスタイリング」では、スマートキーを使った入退出管理、サウンドマスキング、セキュリティカメラ等の設備を有しています。

固定されたオフィス以外にも容易にオフィス拠点を持つことが可能になり、新しいワークスタイルに対応したサービスをを提供することができました。

参照 「三井不動産DX白書2022」https://www.mitsuifudosan.co.jp/dx/dx_hakusyo.pdf

野村不動産株式会社

不動産売買契約時の顧客ごとに異なる必要書類の生成やステータス管理、契約書類の署名・捺印等の手続きを電子化する「Musubell(ムスベル)」を導入。
これにより、以下のようなメリットが生まれました。

□顧客負担の軽減
申込から引渡において、何枚もの書類に署名、捺印を行っていた手続きが不要になりました。

□当社業務効率の向上・コスト削減
必要書類をシステム上で一括管理することで、確認や承認作業の時間を削減。業務効率化につながりました。また、印紙代や送付用の郵便代のコスト削減も実現しました。

今後は、今後は不動産売買に関するすべての手続きを電子化・オンライン化させ、さらに顧客の利便性を向上させることを目指しています。

参照 「野村不動産プレスリリース 7月21日」https://www.nomura-re-hd.co.jp/cfiles/news/n2020072801719.pdf

まとめ

DX化により、業務効率化、コスト削減、顧客満足度向上などを実現することができるようになります。
そのためには、最適なツールの選定、社員研修や新システムの運用方法の検討など、充分な準備期間と予算を費やすことが必要です。

不動産業界のDX化は、まだ前例も少なく手探り状態にあります。ですが、IT化によって効率化できる業務フローは、数多くあります。


DX化のベネフィットはビジネスモデルの改善に留まりません。新たなビジネスの創出、それによる企業価値の向上など、大きな可能性を秘めています。

関連記事