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ARアプリ開発にいくらかかる?

 AR(拡張現実)を使ったアプリは、私たちの生活に身近になりつつあります。ARアプリが普及するにつれて、より多くの企業がアプリ開発に参入しています。しかし、ARアプリを開発するためにいくらくらいかかるのか、補助金はあるのか、知らない方も多いのではないでしょうか。また、費用を知るうえで、ARアプリの認識方法やライブラリなどの知識を知っておいた方が良いこともあります。この記事では、ARアプリ開発にかかる費用や、活用したい補助金、ARアプリの基本的な知識までご紹介致します。

ARアプリの開発費用はどうやって計算されるのか?

 アプリ開発は、ARアプリに限らず、基本的には人件費と開発期間によって計算されます。人件費はエンジニアやプログラマーなどの人員の技術によって差が出ます。開発期間は期間の長短によって費用が変わってきます。

 また、後述しますが、ARアプリは、開発費用に限らず、アプリをリリースする際のプラットフォームに支払う申請費用や販売手数料などもかかってきます。さらに、コンテンツ作成自体が未了である場合、コンテンツ作成にかかる費用も要することになります。

 まずは人件費からみていきます。以下の表は、人員のタイプ・技術別に費用相場を分けたものです。

人員

費用の相場(月額単価)

初級エンジニア

約60~100万円

中級エンジニア

約80~120万円

上級エンジニア

約120~160万円

フリーランスのプログラマー

約40~60万円

下請け企業のプログラマー

約40~60万円

大手企業のプログラマー

約50~100万円

 人員の相場について以下に詳しく紹介します。

人員と費用相場

初級エンジニア

 2~4年ほどの実務経験がある初級システムエンジニアクラスの場合、その月額単価の相場は60~100万円ほどと言われています。もっとも、初級エンジニアクラスの場合、ARアプリ開発の中心メンバーとしてではなく、部分的な設計を任せることが多いでしょう。

中級エンジニア

 5~10年ほどの実務経験がある中級システムエンジニアクラスでは、月額単価の相場は80~120万円ほどと言われています。このクラスが、アプリ開発プロジェクトの中心となる存在であることが多いです。

上級エンジニア

 10年以上の実務経験のある上級エンジニアクラスとなると、アプリ開発以外に、タスク管理、プロジェクトの進捗管理、依頼者とのコミュニケーション役などのさまざまな業務も引き受ける場合が多いです。このクラスとなると、月額単価の相場は120~160万円ほどと言われています。

プログラマー

 プログラマーの場合、システムエンジニアより月額単価の相場は比較的低く、大手企業勤めのプログラマーでも、50~100万円、下請け企業やフリーランスのプログラマーでは、40~60万円ほどが相場とされています。

開発期間はどれくらいかかるか?

ARアプリの開発期間にかかる期間は、開発する機能などにもよりますが、多くが半年間以上かかるとされています。もっとも、より複雑なアプリ、例えば位置情報アプリやゲームアプリのようなものの場合は、半年から1年以上かかる場合もあります。一方、ECアプリや簡単な検索ツールのようなアプリなどは3ヶ月ほどでできる場合もあります。

 開発に時間をかけるほど、その分費用もかかることになります。

リリース時にかかる費用 アプリ申請費用や販売手数料

 意外に見落としがちな費用が、アプリをリリースする際にかかる申請費用です。Google Playは初回に登録料として25ドルかかり、App Storeで配布する場合にはApple Developer Programへの登録が必要でこの費用が年間1万1,800円かかり、このほかにも販売手数料として、Google Play・App Storeともに30%です(2020年10月時点)。

ARコンテンツ制作のための費用

 ARアプリ開発にあたって、ARコンテンツの開発がまだの場合、このコンテンツ制作のためにも費用がかかります。どのようなコンテンツを作るかによって費用も様々です。キャラクターデザインから外注する場合にはその分費用は高くなりますし、AR用の動画の撮影から始めるか、それとももとある素材でやりくりするのかによっても費用に差が出ます。外注する際に、費用をなるべく抑えたい場合には、ARコンテンツを5万円以下で制作してくれるところもあります。

 また、ARアプリの開発には、ARライブラリの使用が必要になってきます。このARライブラリですが、なかには無料ライブラリもありますが、機能の制限があるものが多いです。有料版でしかリリースされていないものもあります。ARアプリ開発を外部に依頼する場合、ライブラリの使用料金もかかると思っておいた方が良いでしょう。

アプリ開発に使える補助金・助成金をご紹介

 これまでご紹介したとおり、アプリ開発の相場は高額になります。少しでも負担を軽減したいときは、補助金・助成金の活用を検討しましょう。ここでは、アプリ開発に活用できる補助金の代表例を3つご紹介します。なお、アプリの開発について、補助金申請以前に契約していると、補助や助成の対象外になるケースもあるので、補助金に関する調査、申し込みは外注先の調査と同時に調べることが良いでしょう

 「ものづくり補助金」とは、中小企業・小規模事業者が制度変更などに対応するための設備投資などを支援する公的な補助金です。補助金の最大額は3,000万円で、補助率は1/2または2/3です。「一般型」と「グローバル展開型」などに分かれ、さらに「グリーン枠」や「デジタル枠」などの枠も設定されています。

 「IT導入補助金」は、中小企業や小規模企業のITを活用した売り上げの向上、業務効率化を促すことを目的とし、ホームページ作成、クラウドツール・業務用ソフトウェアの導入にかかる費用の一部を補助するものです。補助金は最大450万円、補助率は1/2以内です。

 「持続化補助金」は、小規模事業者が制度変更に対応したうえで、持続的な経営実現のために必要となる販路拡大や生産性向上のための経費(広報費など)の一部を補助するものです。補助額は最大200万円、補助率は1/4です。通常枠または特別枠(賃金引上げ枠、後継者支援枠など)の申請類型いずれか1つの枠で申請可能です。アプリ開発にかかる費用は、ウェブサイト関連費として計上されます。

①~③のまとめ

 

最大補助金

補助率

申請方法

①ものづくり補助金

3,000万円

1/2又は2/3

電子申請

②IT導入補助金

450万円

1/2以内

電子申請

③持続化補助金

200万円

1/4

電子又は郵送申請

補助金利用における注意点

 補助金の申請においては、言うまでもなく申請スケジュールの厳守と必要書類に不備がないようにしなければいけません

 補助金の申請では、規定に沿って申請をしないと、補助金が出ないことになりかねません。必要な書類は各補助金・助成金の公式ホームページに記載されており、きちんと準備し、不備なく記載しましょう。一方で、スケジュールを把握せずに、申請書類の準備に手間取っていると期限切れになってしまいます。申請は揃える書類や記載項目も多いですが、常にスケジュールを見据えながら、申請書類を揃えましょう。

ARの認識方法まとめ

 ここまで、ARアプリ開発にかかる費用や補助金についてご紹介しました。ここでは、ARアプリの開発を実際に依頼する前に知っておくべきARの認識方法についてご紹介します。大きく3つに分けられます。

①マーカー型

 マーカー型とは、付加情報を表示する役割を持つマーカーを利用する方法です。マーカーのパターンにどのようなものがあるかは、利用するライブラリによります。マーカー型のメリットは、ARマーカーを置くだけで提示する位置を定められて、正確に提示したい位置に付加情報を表示させられる点です。また、マーカー型に対応するオープンソースソフトウェアがあり、気軽に開発しやすい点も魅力です。一方、マーカーを設置する手間がかかることや、マーカー自体は現実世界に定めるため、景観が変わる場合や物理的に設置しづらい場合には使い勝手が悪いといえます。

②マーカーレス型

 マーカーレス型は、マーカー型と異なり、ARマーカーを使用することなく提示位置を特定して表示できる方法です。実際の空間にある物体・環境全体を認識して提示位置を特定することができます。マーカー型の欠点でもあった景観に左右されない点が特徴です。しかし、認識しなければならない範囲が広く計算量も増え、専門的知識がないと精度を欠くことから開発の難易度は高く、初心者には不向きといえます。

③位置情報型(ロケーションベースAR)

 位置情報型は、GPSから得られた位置情報を活用して付加情報を表示できるタイプのARです。磁気センサー、加速度センサーなどもあわせて活用しています。位置情報を活用することからライブラリを使用しなくとも制作できる点が魅力です。しかし、GPSの位置情報に依存し、精度が格段に高いというわけではなく、位置がズレる可能性は否定できません。最近ではこの位置情報のズレの発生を抑制することに成功していますが、完全にずれがなくなることはないと思われます。

①~③のARまとめ

ARの種類

メリット

デメリット

マーカー型

・正確な位置に提示情報を設定できる

・気軽にはじめられる

景観の変化や物理的な条件によってはマーカー設置が困難

マーカーレス型

マーカー型にある景観や物理的な条件を克服できる

空間や物体認識の計算量が増えて、専門知識が必要

位置情報型

ライブラリが不要

提示情報にずれが生じることも

 ARの種類によって、メリット・デメリットがあります。開発するARの目的に応じた種類を選択しましょう。

ARアプリ開発に役立つライブラリを紹介

 ここからは、ARアプリ作る際に用いるライブラリをいくつかご紹介します。ライブラリによっては対応している認識方法に違いあるので、AR開発を自社で行う場合には事前に確認しておきましょう。

①ARToolKit

 ARToolKitは、世界初のAR技術として誕生したAR開発ライブラリです。AndroidやiOS、Unityにも対応し、デスクトップOSにおいてもMACやWindows、Linuxまで広く対応しています。また、マーカー型、マーカーレス型のどちらの認識方法でも対応しています。このような利点もあり、オープンソースソフトウェアでもよく利用されています。

②Vuforia

 Vuforiaは、近年注目されているAR開発ライブラリです。ARToolKitと同じくiOSやAndroidだけでなくUnityにも対応しています。魅力は、利用料が無料であって、誰でも気軽にARを開発を始められる点です。機能的にもマーカートラッキングの精度も高く、画像のアップロード、ImageTargetの配置、3Dモデルの配置といった3ステップでARアプリを開発ができます。気軽にアプリを作れるライブラリを検討している方には、まずはVuforiaを選択してみても良いかもしれません。

③ARCore

 ARCoreは、Googleの提供する、特別なデバイスのいらないARライブラリです。マーカーレス型、位置情報型に対応しています。Androidデバイスを利用し、水平面・垂直面の検出、モーショントラッキングなどといった機能の利用が可能です。

④ARKit

 ARKitは、Appleが提供している、iOS11以降のiPhoneやiPad(一部のデバイスを除く)で利用できるARライブラリです。マーカーレス型、位置情報型に対応しており、水平面のみならず垂直面も認識することが可能です。キャラクターCGを配置することもできます。iOSアプリをリリースしたい方にとっては気軽でおすすめです。

まとめ

 ARアプリの開発にかかる費用や、活用できる補助金、ARアプリの認識方法やARアプリに使うさまざまなライブラリについてご紹介してきました。

 アプリ開発を外注するとなると人件費だけでも相当な費用がかかりますが、Vuforiaなどのライブラリを活用してコストダウンすることは可能です。一方、高度で精度の高いARアプリの制作のためには、やはりプロのエンジニアやプログラマーに任せることが近道かもしれません。

 ARアプリを開発する場合には、予算や補助金が下りる見込みを考え、同時にどれくらい精度の高いARアプリを開発するのかじっくり検討しておくことが大切といえます。

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