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初心者でもできるWebマーケティング

 Webマーケティングに興味はあるけど、「実際のところWebマーケティングが何かわからない」「どんな利点があるの?」という方も多いのではないでしょうか。

 そもそもマーケティングとは、「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」(上田淳生編訳『【エッセンシャル版】マネジメント 基本と原則』ダイヤモンド社より))と、かの有名な経営学者の一人ピーター・F・ドラッカーは、述べています。ドラッカー曰く、マーケティングにおける理想は、「売り込み」をせずとも、売り上げることです。

 現代ではスマートフォンやタブレットなど、端末の多様化によりWebユーザが爆発的に増えたこと、また、新型コロナウイルスの拡大により非接触でのマーケティングの需要が高まりました。また、Webマーケティングは、多数の潜在的な顧客に対し情報を、低コストで速やかに伝えることができるので、低コストで的確な「売り込み」が可能となります。このように、近年Webマーケティングへの注目度はますます高まっています。

 今こそ知っておきたい初心者でもわかるWebマーケティングの基本と、具体的なマーケティング方法まで幅広くご紹介します。

Webマーケティングとは

 Webマーケティングとは、WebサイトなどのWeb媒体を中心に行われるマーケティングのことをいいます。

 「Webマーケティング」という名前の方策があるわけではありません。既に行われていた広告宣伝、販促、PRといったマーケティングの方法をWebを中心に行うことです。

 マーケティング界で有名なフィリップ・コトラーは、マーケティングを「無理に売ろうとしなくても売れる仕組みを作る」ための一連の活動としています。Webマーケティングでは、このように無理に売ろうとせずに売れることを可能とする方法といえます。

現代におけるWebマーケティング戦略の重要性

  1990年代からインターネットが普及し始め、それから30年近い年月が経ち、インターネットは現代のインフラとなっています。2010年頃からはスマホも急速に普及し人々の生活に欠かせないものとなりました。地球上の人々が、いつでもどこでもWebに繋がることができる時代になってきています。

 消費者の行動にも大きな変化が出てきました。2011年に、GoogleによってZMOT(Zero Moment of Truth)という概念が提唱されました。これは、顧客はインターネットを通じて、商品を購入する際には事前に調査を済ませ、店舗に足を運ぶ際には購入するものをすでに決めいているというものです。消費者はWeb上で調査して購入を決めるということですから、マーケティングにおけるWebの重要性は益々高まります。

 もっとも、マーケティングの基本となる「顧客のニーズを知る」重要性は、Webマーケティングにおいても同じです。マーケティングの基礎理論の理解はWebマーケティングにおいて大切です。 

デジタルマーケティングとの違い

 Webマーケティングの方法は、デジタルマーケティングの一部です。デジタルマーケティングとは、Webの中で行われるSNSなどを使ったマーケティングだけでなく、スマホアプリで店舗やECサイトの集客をしたり、時間を要する膨大なデータ分析などをAI(人工知能)を使って行うなどWebを含むデジタルテクノロジーを駆使したマーケティングをいいます。

 このほかにも、デジタルテクノロジーとは、メールマガジンのような定期的・反復的に行う作業を自動化し業務をより効率化するマーケティングオートメーション(MA)ツールや、監視カメラやセンサーにインターネット接続し、顧客の購買までの動きなどを収集できるIoT(アイオーティー)などがあります。

Webマーケティング方法の代表例

 『「Webマーケティング」という名の特別な施策があるわけではない』と書きましたが、Webマーケティング特有の施策はもちろん存在します。ここではその代表例をご紹介します。

Webサイト

 Webサイトを運営する人は多いかと思います。Webサイト運営の目的は色々と考えられますが、Webサイトを使えば、集客や顧客との関係性強化、ブランディングといったマーケティングが可能になります。Webマーケティングを行う場合の多くは、自社のコーポレートサイトや商品販売サイト(ECサイト)などを開設し、そこからさらに様々なマーケティング展開をしていきます。

ブログの運営

 ブログはWebサイトの一つの形態です。一般的にブログは、CMS(Contents Management System)という仕組みを利用して作成されています。これは、Webサイトのコンテンツを構成するテキストや画像、デザイン・テンプレートなどを一元的に保存・管理するシステムのことです。HTMLの文法を知らなくても手軽に投稿できるため、ちょっとした情報告知によく使われています。

 ブログは、企業が商品・サービスの新着情報や、顧客向けのコンテンツを公開するのに使われることが多いです。

メールマーケティング

 メールマーケティングとは、「Webマーケティング」に近い概念で、インターネットメール上の電子メールを利用してマーケティングを行うというものです。

 既にメールアドレスを取得した相手に対してメールを送って展開するという性質上、新規顧客獲得には利用できません。既存顧客との関係性強化、離反客の呼び戻しや顧客の引き上げのための利用が多いです。また、BtoBマーケティングにおいて、獲得した見込顧客の育成にもメールマーケティングが活用されます。

メールマーケティングの代表例としては、メールマガジン、ステップアップメールなどがあります。

SNSマーケティング

 SNSマーケティングとは、Twitter、InstagramやFacebookなどのSNSを利用して広告やPRなどのマーケティングをすることをいいます。SNSマーケティングと一口に言っても利用するSNSの種類(Twitterか、Facebookなのか)やマーケティング目的、例えば集客目的か顧客とのコミュニケーション目的か、などによって、具体的な実施方法は変わってきます。

SEO

 Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の頭文字を取ったものがSEOです。自社の運営するWebサイトがキーワードで検索エンジン上位に表示されるよう、Webサイトを調整することです。

 SEOは、基本的に無料で行える施策ですが、成果が出るまでに時間がかかるため、すぐに効果は出にくいです。

アフィリエイト

 アフィリエイターと呼ばれる協力者によって、各Webサイトやブログ、SNS上などで、自社の商品を宣伝してもらう方法です。商品を口コミで宣伝できる強みがあります。

リスティング広告

 リスティング広告は、検索エンジン上(GoogleやYahoo!Japan)などのに入力したキーワードに連動して表示される広告です。広告費を支払えば狙ったキーワードの検索結果ページに広告を表示することができるので、前述のSEOよりも簡単に結果を出すことができます。そのため、早期に結果を出したい場合、SEOも取り組みつつ、リスティング広告を出すことが有効です。

コンテンツマーケティング

 コンテンツマーケティングとは、テキストや画像、動画といったコンテンツを活用しマーケティングを展開していこう概念みたいなものです。

 このコンテンツマーケティングは近年特に注目されるようになりました。というのも、Googleを始めとした検索エンジンが「よいコンテンツを上位表示する」という方針を採用し始めたからです。コンテンツマーケティングの特徴は、企業が売り込むのではなく、潜在顧客が求めるコンテンツを用意して、顧客側から見つけてもらうというアプローチを取るという点です。コンテンツマーケティングには、よいコンテンツを作り込むことで検索エンジン上位表示を狙う「コンテンツSEO」、コンテンツによってより優良な顧客に育成していくナーチャリングなど、様々なものがあります。

Webマーケティングの3つの見逃せないポイント

 Webマーケティングの特性を、従来のマーケティングとWebマーケティングの違いから3つに分けてご紹介します。

1 迅速なマーケティング

 まず、従来のマーケティングに比べ、マーケティングに向けたリードタイムが圧倒的に短いことが挙げられます。さらに、CMなどの映像広告や印刷媒体となどと異なり、Webだと変更が簡単に何度でもできます。そのため、試行錯誤を繰り返したうえで効果的なマーケティングをスピーディに行えるのです。Web媒体であればスピード感をもってマーケティング展開できることが魅力です。

2 マーケティング効果について数的な検証が容易

 Webマーケティングの方法の多くで、効果測定を数値で確認することができます。代表的なものに、Web広告の表示回数、クリック回数、サイトへのアクセス数、広告経由での売上高や申込数などがあります。他のマーケティング方法よりも細かな数的なデータを取得できます。

3 顧客の属性に合わせたマーケティングができる

 雑誌の広告やテレビのCMといったマス・マーケティングでは、対象者を細かくターゲティングすることには限界があります。しかし、Webではターゲットを指定し、ターゲットの属性ごとに広告内容を変えるなど細かな戦略が可能となります。

Webマーケティングに向けた3つのステップ

 それでは、Webマーケティングを使ってどうやって売り上げを出せば良いのか、自社のWebサイトを活用した方法を3つのステップに分けてご紹介します。

ステップ1 アクセス数を増やす

 まずはじめに、プレアクセス、つまりユーザーにアクセスしてもらうための準備が必要です。Webサイトの見込み客を呼び込む段階です。ここで注意すべきことは、Webマーケティングにおける集客とは、単にアクセスを増やせば良いのではなく、「見込み客」のアクセスを増やすことです。

 具体的な方法としては、Webサイトそのものの充実が必要です。魅力的で質の高いコンテンツの発信(コンテンツマーケティング)を行いましょう。同時に、SEOをはじめ、リスティング広告、ディスプレイ広告、ネットワーク広告、アフィリエイト広告、SNSでの発信など、Webサイトを広く知ってもらう方策を展開していきましょう。

 さらに、プレスリリースの配信も有効です。プレスリリース配信サービスで、より多くの露出と情報拡散を狙うことができます。

ステップ2 接客する

  次のステップでは、Webサイトを訪問したユーザーに対して接客していきます。単なるアクセスから、売り上げや申込み、問い合わせといったアクションにつなげていくアプローチを行います。

 ここでは、心地よいユーザー体験を提供し、Webサイトにより長く滞在してもらって離脱を防ぐことが大切になります。そのための取り組みとしては、LPO(Landing Page Optimization)というランディングページ最適化や、EFO(Entry Form Optimizationといったエントリーフォーム最適化、レスポンシブデザイン(ユーザーの画面サイズに合わせてページレイアウトを最適化するデザインのこと)の導入によるスマートフォン最適化などが挙げられます。また、システム面では、決済手段の充実なども効果的です。ECサイトで、クレジットカードが支払い方法も可能にし、購入直前での顧客離脱を防ぎます。

 加えて、コンテンツの品質向上や使いやすいユーザーインターフェースも大切です。ユーザーが求めている情報を掲載し期待を裏切らないこと、さらにそれらを見やすく、読みやすく構成すること、さらなる関連情報にスムーズに移動できることなどによって、ユーザーの満足感を向上させます。

ステップ3 再来訪を促す

 次のステップでは、ユーザーがWebサイトから離脱した後、フォローをして再来訪を促すことです。一度、Webサイトを訪問したユーザーとの関係性を無駄にせず、より関係を深め、リピート訪問してもらうアプローチを実践していきます。

 具体的には、直接顧客にアプローチするメールマーケティング、顧客リストに配信するメールマガジンも有効です。こうした取り組みによって、再度ユーザーの興味をひきつけて、再アクセスのきっかけを作るのです。また、リタ―ゲティング広告といって、一度Webサイトを訪れたユーザーを追いかけて自社の広告を表示させることも効果的です。

 これらのアプローチを効果的に進めていくため、マーケティングオートメーションの導入も検討しましょう。マーケティングオートメーションとは、Webサイトを訪問したユーザーに対するWebマーケティングの一連の流れを仕組化し、最適化してくれるシステムのことです。例えば、Webサイトを訪れた見込み客をリスト化してメールマーケティングやメルマガ配信などを行うことで、より自社に関心の高い顧客を絞り込んでいくことができます。

 これまで見てきたように、単純なアクセス数を増やすことが最適なマーケティングではありません。見込み客からのアクセスを集まることが重要であり、そのためにはサイトを充実させ、一度訪問したユーザーを丁寧にフォローしていくことが欠かせません。

Webマーケティングに取り入れたいツール

 Webマーケティングに活用できる基本的なツールをご紹介します。

・CMSツール

 CMSとは、Contents Management System(コンテンツマネジメントシステム)の略称で、プログラミングの知識が乏しくても容易にWebサイトを構築できるツールのことです。Webマーケティング担当者となれば、サイトを作って仕事が終わりではありません。後にも述べる、アクセス解析の結果をもとに日々サイトを改善したり更新していく必要がありますので、サイト構築、改善などが簡単にできるCMSは必要なツールといえます。自社サイトに適切なCMSを導入し、効果的なサイト運営を行うようにしましょう。

・アクセス解析ツール

 アクセス解析ツールとは、サイトと連携してユーザーのサイト上での動きや傾向を調べることができるツールです。自社マーケティング課題の発見や改善策の検討に有効です。代表的なツールとして、Googleアナリティクス(GA)があり、これはグーグルが提供するもので無料で利用できます。その他にも有料ですがGAではみられないデータを持つアクセス解析ツールも多数存在しますので導入を検討してみても良いでしょう。

マーケティングオートメーション(MA)ツール

 MAツールとは、新規顧客の獲得や、見込み顧客の育成なども含むマーケティング活動の方策を自動化・効率化するツールです。人手では膨大なコストと時間がかかる複雑な処理や大量、定型的な作業などを自動化して、効率を上げることができます。MAツールを導入することで、大幅に時間と手間を節約して、的確なマーケティングにつなげることができます。

 

Webマーケティングには資格の勉強も有意義

 特に資格を持っていなくてもWebマーケティングという仕事は、誰でにでも可能です。しかし、Webマーケティング初心者であれば何から手をつけていいのかわからなかったり、マーケティング自体にも縁がなかった方も多いのではないでしょうか。また、Webマーケティング歴が長い方でも、変化の激しい業界であることから、常に新しい知識を取り入れたいという方も多いかと思います。そういった場合、マーケティング・ビジネス実務検定、ウェブ解析士などといった検定や資格の取得、セミナー受講などを通じて勉強することで、Webマーケティングの知識を体系的に身に着けたり、最新情報を得ることができます。そのため、Webマーケティングに自信がなくて勉強したい、さらなる知識をつけたいという方は、資格や検定を受けてみることも良いでしょう。

おわりに 顧客のニーズをきちんと理解する

 Webマーケティングにおいては、単に顧客のデータを把握するだけでは意味がありません。データから顧客のニーズをきちんと理解し、集客の流れや仕組みをつくりあげることが何より大切です。顧客のニーズを正確に捉えることができれば、スピーディーかつ低予算で見込み客を取り込むことができます。

 一方で、大量にあるアクセスデータ、広告データの分析、その効果測定を行うにはある程度の専門性が必要です。そのため、社内の人員だけでは手に負えないことも多いです。そのため、マーケティングオートメーションツールの導入は強力な武器になると思います。的確なデータ分析に加え、顧客特性にあわせたメールマーケティングが可能になり、効果的なマーケティングをスピーディに行えます。

 今回の記事では、初心者の方でもわかるように、マーケティングの基礎知識から、Webマーケティング方法の代表例、その特性、マーケティングに向けた各ステップなど、幅広く解説してきました。Webマーケティングを実践し、マーケティングをより良く、効果的に行っていきましょう。

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