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キュレーションサイトのプラットフォーム戦略

この記事では、キュレーションサイトの詳細、プラットフォーム戦略での活用、サイト作成手順などについて解説しています。

この記事を読むことで、キュレーションサイトの特徴を理解しプラットフォーム戦略に役立てください。

キュレーションサイトとは何か

はじめに、キュレーションサイトについて言葉の意味や普及した背景、タイプについて説明していきます。

キュレーションサイトの意味

キュレーションの意味は、インターネット上の様々な情報を特定のテーマに沿ってまとめ、新たな価値を持たせそれを共有することです。英語で博物館や図書館等の館長・管理を意味する「キュレーター」が語源とされています。

また、まとめられた情報を提供する場所が「キュレーションサイト」です。

インターネット上のキュレーターは、博物館や図書館の展示物、蔵書を整理するように情報を取捨選択し、分かりやすくまとめる役割を果たします。

インターネットユーザーがある事柄について検索するとき、検索エンジンはその事柄に関するサイトを表示します。ユーザーはそこから自分で必要な情報を探し出すことになります。

一方、キュレーションサイトにはテーマ別に情報が並んでいるため、ユーザーはあちこちのサイトを一つ一つ探していく手間が省けます。この便利さが受けて人気を博しているのです。

キュレーションサイト普及の背景

インターネットの普及で、より簡単にそして広範囲に情報発信ができるようになりました。このため、それまでに比べて情報量が爆発的に増加しています。しかし情報が溢れるようになると、インターネットユーザーは情報を取捨選択する必要に迫られるようになりました。

こうした状況の中で、テーマ毎に情報がまとめられたキュレーションサイトが登場しました。ユーザーは手軽に情報収集をすることができるようになり、徐々に普及していきます。

さらに、スマートフォンユーザーの増加がキュレーションサイトの普及に拍車をかけています。ちょっとした隙間時間にもインターネットへのアクセスが可能になり、ユーザーは気軽に情報収集ができるようになったからです。

キュレーションサイトの種類

キュレーションサイトは、情報のまとめ方により「総合型」と「特化型」に分けることができます。

総合型

総合型は、ニュースのような幅広いテーマを扱います。ユーザー層が広範囲なため、アクセス数も多い傾向にあります。

コンテンツを充実させることで、多数のユーザーを集めることが可能です。

特化型

特化型は、ある特定のテーマについてまとめたサイトです。テーマが絞られるため、ユーザー層はある程度限定されます。

専門性と独自性を高めることで、固定ユーザーを獲得することができるでしょう。

キュレーションプラットフォーム戦略

ビジネスシーンでは「プラットフォーム」を、「複数の製品、サービスを不特定多数の顧客に提供する場所」という意味で使います。

多くの情報とユーザーが集まるキュレーションサイトは、プラットフォームとしての性格を持っています。したがって、プラットフォーム戦略にキュレーションサイトを活用することが可能です。

情報を求めて集まってくる多数のユーザーに対するプロモーション、ネット外でのビジネスマッチング等、新たなビジネスを創造することができる可能性を秘めているのです。

次に、プラットフォーム戦略の視点から、キュレーションサイトのメリットと収益パターンを見ていきましょう。

キュレーションサイト運営のメリット

キュレーションサイトを運営するメリットは、以下の3点になります。

開設が容易である

1つ目のメリットは容易にサイトを開設できる点です。

キュレーションサイトは、インターネット上の情報をテーマに沿ってまとめ直したものです。取材やリサーチ等の手間が不要な分、コンテンツ作成が容易であると言えます。

ただし、情報の信憑性や著作権などには注意が必要です。

トレンドに強い

メリットの2つ目としてトレンドに強いことが挙げられます。

世間の旬やトレンドを意識して情報を集めることで、多くのユーザーから注目されることになります。キュレーションサイトは、素早く更新ができるため、トレンドを逃さずに情報提供が可能です。

結果、多数のアクセスを集めることができるようになります。

SEOに有効

3つ目のメリットはSEO対策に有効であるという点です。

高頻度の更新が可能であること、多数の記事掲載による情報の網羅性の高さから、サイト評価が上がることが期待できます。

良質な記事が多数あるサイトは、ユーザーからの評価も高くなります。

キュレーションサイトの収益パターン

キュレーションサイトの収益パターンには、以下の4点があります。扱うテーマやユーザーとの関連性で自サイトに適したパターンを検討しましょう。

広告掲載

サイトに広告を掲載し、そこから収入を得るパターンです。

情報が多数集まっているキュレーションサイトは、その利便性からユーザーを呼び込みやすい傾向にあります。必然的に広告効果が大きいことが容易に想像できます。

事実、キュレーションサイトのマネタイズはこのパターンが一番多く、大手企業も参入しています。

商品販売

サイト内の情報に関連する商品を販売するパターンです。キュレーションサイトにECサイトの役割を持たせるイメージです。

ファッション系など、扱うテーマによっては大きな収益を上げることが見込めます。

利用手数料

無料で利用できる情報に加えて、より詳細で専門的な情報に対して課金するパターン等がこれに当たります。

ユーザーが有料情報に価値を見出せるよう、上質なコンテンツを用意する必要があります。

サービスの仲介

サービスの利用を希望するユーザーと、請負企業を仲介するパターンです。サービス契約が締結されることで収益が発生します。

業界に特化した専門性の高いサイトになるほど、収益を伸ばせる可能性が大きくなります。

キュレーションサイトの作成手順

実際にキュレーションサイトを作成していく手順を見ていきましょう。

1. 準備

準備段階で必要なことは「ジャンル選定」「競合サイトリサーチ」「コンセプト設定」「マネタイズ方法の決定」「制作・運用体制の整備」です。

ジャンル選定

作成するキュレーションサイトのジャンルを選定します。

選定するにあたっては、ユーザーニーズの有無を知る必要があります。多くのアクセスを集めて収益を得ることを考えると、ニーズの少ないジャンルは避けた方が無難です。

ユーザーがどのような情報を求めているのかを調査・分析し、ニーズに応えられるようなジャンルを選定しましょう。

競合サイトのリサーチ

ジャンルが決まったら、次にそのジャンルでの競合サイトをリサーチします。リサーチする中で、自サイトの独自性や競合サイトとの差別化を図るポイントを見つけていきます。

具体的には、どのようなコンテンツを作成し、どんなキーワードを設定しているのか、どんな記事がよく閲覧されているか等を調べます。調査結果を基に、どのような部分でオリジナリティを出せるかを検討します。

この時点で差別化を図るのが難しいようであれば、別ジャンルでの参入を考えてみましょう。

コンセプト設定

新サイトの制作にはコンセプト設定が重要です。特に、多くの情報を扱うキュレーションサイトではコンセプトがはっきりしていないと、コンテンツ内容にブレが生じ統一性に欠けてしまいます。また、ユーザーへの訴求性も薄れてしまいます。

コンセプト設定では、ターゲット層、解決できる課題、ユーザーのメリット等を決めていきます。

マネタイズ方法の決定

準備段階でマネタイズの方法を決めておくことで、今後のサイト設計やコンテンツ作成の方向性が決まります。

マネタイズ方法には前述した「広告掲載」「商品販売」「利用手数料」「サービスの仲介」の4つのパターンがあります。これまでに設定したジャンルやコンセプトに照らし合わせ、適切なパターンでマネタイズします。

制作・運用体制の整備

キュレーションサイトの制作と運営をスムーズに進めるために、体制を整えておくことも大切です。

サイト制作には、コーダー・プログラマーデザイナーが必要です。運営するにあたっては、ディレクター、編集者、ライター等がいなくてはなりません。

社内でこのような人材が確保できない場合は、外注することになります。コストがかかることでもあるので、早めに決定しておきましょう。

2. サイト構築

キュレーションサイト作成の準備が整ったところで、サイトを構築に入ります。この段階で行うことは「運用プラットフォームの準備」「サイト設計」です。

運用プラットフォームの準備

キュレーションサイトを運用するためのプラットフォームを準備します。プラットフォームとしては、CMS(コンテンツマネジメントシステム)を導入することがよいでしょう。

CMSを利用すると、専門知識がなくてもwebサイト構築が容易にできること、複数のスタッフでサイト更新ができる等のメリットがあります。頻繁な更新が必要なキュレーションサイトでは、CMSの利用が圧倒的に便利です。

よく知られている「WordPress」もCMSのひとつですが、キュレーションサイト運用の面ではあまりお勧めではありません。WordPressでは、膨大になるキュレーションサイトのコンテンツを捌ききれない可能性があるからです。

サイト設計

プラットフォーム導入後、サイト設計を行います。具体的にサイトの構成やデザインなどを決めて行くことです。

サイト構成では、ページやカテゴリの内容、階層構造をどのようにするか等サイトの大枠を決めていきます。

構成が決定したら、デザイン設計に入ります。サイトデザインは、コンセプトやテーマに沿ったものにします。

3. コンテンツ制作

いよいよサイト制作の段階に入りますが、基本的な部分では通常のwebサイト制作と変わりません。しかし、キュレーションサイトならではのポイントがあります。

ルール、マニュアル作成

コンテンツ作成では、ルールやマニュアルの存在が必要です。特にキュレーションサイトはコンテンツ数が膨大になるため、ルールが曖昧になるとページによって表記やテイストが変わってしまう可能性があります。

統一性を保つためにも、ルール、マニュアルは必ず作成しましょう。

手軽に読めるコンテンツ

キュレーションサイトを訪れるユーザーは、手軽に閲覧できることを求める傾向にあります。また、スマートフォンユーザーが多いことも特徴です。

したがって、

・文章量を抑える(1000字程度の文字数が望ましい)
・完結な文章にする
・改行が多過ぎないようにする(改行が多いとスクロール量が増えてしまうため)

といった配慮が必要です。

キュレーションサイト作成の注意点

キュレーションサイト作成では注意すべき点があります。サイト作成や運営の際には以下の2点に注意しましょう。

情報の信憑性

キュレーションサイトはインターネット上の情報をまとめるという性質上、使用する情報が信頼できるものかを確認する必要があります。

誤った情報は、ユーザーに多大な不利益を与えるとともに、サイトの信頼性が大きく下がります。最悪の場合サイト閉鎖に追い込まれる可能性もあるのです。

引用する情報の真偽は必ず確かめなくてはなりません。内容によっては専門家の監修も必要になります。

著作権・肖像権

インターネット上の情報を利用する際は、著作権や肖像権に注意しなくてはなりません。

文章を無断転載をした場合、著作権の侵害に問われます。やむを得ず情報元の文章を使用する場合は、必ず「引用」として出典を明記します。ただし、引用が多すぎるとオリジナリティが失われ、質の低いコンテンツと見なされてしまいます。

また、ネット上の画像をそのまま使用することも厳禁です。著作権の他、人物や有名キャラクターの場合は肖像権に抵触します。自分たちで制作・撮影したものを使用するか、素材サイトなどの使用が許可されているサイトを利用しましょう。

まとめ

キュレーションサイトは、インターネット上の情報をテーマに沿ってまとめられた情報サイトです。多くの情報が一か所にまとまっているため、ユーザーの利便性が高いサイトと言えます。このため、近年は利用者が増加しています。

また、多くのユーザーが集まることからプラットフォーム戦略に活用することもできるのです。

キュレーションサイトの作成ポイントと注意点を把握し、良質なコンテンツを目指していきましょう。

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